第24章 〜謎めいた乗客〜
椎奈「(そんな…っFBIと…ベルモット…?)」
公安も含め、バスの中に揃ってしまった彼ら…
私は思わず、和人お兄さんの袖を握った
中居「?どうしたんだ?」
椎奈「気をつけて…ベルモットがいる…」
中居「?!!」
私が声を潜めて言うと、和人お兄さんが息を呑んだ
中居「…誰だ?誰に扮している?」
椎奈「子供たちの…新一の後ろにいる人たちの中にいる。顔を隠している男とは違う男の方だよ。名前は新出智明。医者だよ」
中居「医師に化けてるのか…なんでまた…」
理由は知ってる。シェリーである志保ちゃんを探すためなんだ…
和人お兄さんにそう伝えようとした時だ
なんと、二人組の男たちが懐から拳銃を取り出しーーーー
?「全員、そこを動くんじゃねぇ!!」
2人組がバスがジャックしてしまった……
その後、2人組はバスの運転手である小林さんを脅し、行き先を「回送」にして都内を適当に走れと命令しだす
バス会社には乗客である私たちを人質にして、現在服役中である男・矢島邦男の釈放を要求した
じゃなければ一時間ごとに私たちを殺すと警察たちを圧力にかけるような脅迫も忘れずに…
そして矢島邦男というのは、元宝石ブローカーだった
彼は爆弾を使った強盗団の主犯格で、残りのメンバー3人の中の2人が目の前のバスジャック犯のようだ
椎奈「(最近、事件関係の運勢悪いのかなー…。バスジャックされるわ、FBIがいるわ、ベルモットが同じバス乗るわ、風邪ひくわ、行きたい病院に行けないわ…)」
最後らへんは完全に個人的なものだが、それでも私は体調不良が相まって不機嫌になっていた
そして恨みを込めて、現在携帯を回収していく男たちを睨む
それを知らない男たちは子供たちからも通信機の類を回収し、ついに私のところに来た
バスジャックa「おら、携帯出せ!」
中居「…っわかってるよ」
組織の奴らの前で目立った行動を避けたい彼は、おとなしく携帯を出した
バスジャックa「おい、女!! さっさと携帯出さねぇか!!」
椎奈「はぁ…いや」
バスジャックb「ああ?!」