第23章 〜ジョディ・サンテミリオンとの出会い〜
ーーーーーーージョディside
私にはいま、二種類の顔がある
日本のアーケードゲームが好きな英語の教師・ジョディ・サンテミリオン
来日して帝丹高校で働きつつ、ある組織を探るべく日本政府に極秘で潜入したFBI捜査官・ジョディ・スターリング
ゲーム好きは事実でも後者が本名だけど、それを知ってるのはごく僅か……
私の仲間である、FBI捜査官だけ
そんな私が今日ゲームセンターにいると、就任した高校の生徒である毛利蘭ちさんと鈴木園子さんがいた
2人は足元にいる小学生の男の子を連れていて、プリクラを撮っていたようね
そこからしばらくは4人でいた
けれど、あるゲームが終わって移動している時、彼女たちは知り合いを見つけた
椎奈「工藤椎奈っていいます。よろしくお願いしますね」
その女性の名を聞いて、私は思わず驚いた
慌てて表情を取り繕ったけど、彼女は気付いたでしょうね
そして彼女とは少しだけ話してすぐに別れてしまった
工藤椎奈の後ろ姿を見て、顔が険しくなった
ジョディ「(…彼女が、シュウが言っていた『預言者』なの?)」
『預言者』
それは、シュウがつけた工藤椎奈の異名のようなもの
報告によれば、彼女はまるで展開を知っているかのように行動して、公安のNOCを助けたそう
さらに先日では、シュウのいまの彼女である宮野明美を組織から救い、証人保護プログラムを進めたらしい……
彼女の話を聞いた際、シュウは最後に言ったーーーーー
赤井【彼女は予知夢だと言っていたが、そんなもので片付けられる事象ではない。きっと何か大きな秘密があるはずだ……】
…でも、実際調べて出てきた普通とは違う情報といえば、芸能人であることと公安に少し関わりがあるくらい
他は、周りとなんら変わらない女性
………けれど、その周りと変わらないことがどこか恐ろしかった…