第4章 〜待ち望んだ出会い〜
犯人「く、来るんじゃねぇ!!」
一歩踏み出そうとする彼らに、犯人は慌ててまた首に刃物を付ける
椎奈「…っ」
同時に首も閉まって少し苦しい。
松田さんたちを見ると、彼らもこの状況に苦しんでるようだ。
それが分かれば、打開策は一つしかない
椎奈「(…怖がってちゃダメだ…。自分から離れないと、状況は変わらない…)」
深く深呼吸をすると、心が落ち着いてきた。
恐怖心はあれど、犯人から逃れれば、後は彼らがなんとかしてくれると期待した
椎奈「…離してよ、おじさん苦しい」
5人「「!!!」」
犯人「ああ?!んなことするわけないだろ!!」
椎奈「じゃあ、今からの出来事、おじさんの自業自得から」
初めにそう断りを入れると、私は犯人のナイフを持つ手に思いッッッきり噛り付いた
犯人「いっ?!!…てめぇ、このガキ…!!」
噛り付いた方の手をブンブン振り回すが、私は必死にしがみついた。
私が離れないと分かると、反対の手で首根っこを掴んで思い切り床へ叩きつけた
ドガッ
椎奈「ぅぐっ」
スコッチ「零、今だ!!」
降谷「ああ!!」
スコッチさんと降谷さんがすぐさま犯人を押さえつけ、松田さんと萩原さんと伊達さんが床で蹲る私のそばに駆け寄ってくれた
松田「おい、大丈夫か、嬢ちゃん!!」
萩原「よく頑張ったな!怪我もこんなに…っ」
抱き起こしてくれた萩原さんの言葉で改めて自分を見ると、首のちょっとした傷も含めて頬や腕と手に浅めの切り傷があった
松田「伊達」
伊達「問題ねぇ。救急車がもうすぐで来るってよ」
伊達さんがそう返して携帯をしまうと、私の頭をポンポン撫でた。その隣に、犯人を押さえたスコッチさんと降谷さんも来る
眉間にシワが寄っていたが、私の様子を確認すると、ほっと息をついた
スコッチ「…大したことないんだね」
降谷「ヒヤッとしたよ。無事でよかった」
それから数分後、デパートに来た警察に犯人は突き出され、私は、降谷さんたちを付き人として病院に連れて行かれた