第21章 〜事件を吸引する素質が移りました〜
コナンは小五郎に降ろされて避難しつつ、話に耳を傾けていた
小五郎「マネージャーの茜さん。椎奈ちゃんが何か恨みを買われていたなんてことは…」
茜「そんな!あるわけないでしょう?!ふざけないで!!」
萩原「ま、まぁ、マネージャーさん!落ち着いてください…」
小五郎に掴みかからん勢いで憤る茜を、萩原がなんとか抑える
茜「あの子は恨みを買う子じゃないわ!人当たりがいい子だもの。あの手紙も何かの間違いだわ!」
中居「!!あの手紙?」
茜の言葉に反応したのは、中居だけじゃない。
彼女はそれに頷くと、ある封筒を彼らに出した
そして手袋を付けて受け取った松田がそれを開いた
松田「!!この文章…。あの時、椎奈が…」
萩原「?どうした松田…」
松田が固まったのを見て覗き見た萩原は眉間にしわを寄せる
『母は「闇の伯爵夫人【ナイトバロニス】」
さぁ、今日は闇の舞踏会の始まりだ
バロニスはすべての男を虜にした。
さて、その娘に待つ運命はいかに?』
コナン「!!」
小五郎「おい、それってたしかリハーサル前に言ってた…」
松田が手紙を読むことで、皆がハッとなる
目暮たちにも椎奈がそれを言ったことを伝えると、彼は顎に手を当てる
目暮「うぬ…。しかし、ナイトバロニス…。やはり、彼女が優作くんの娘だからということだろうか…」
コナン「(ナイトバロニス…。たしか聞いたことがあるんだよ…。昔、アメリカのロスで…)」
そこまで考えて、コナンの頭にフラッシュバックした過去
コナン「(!!思い出した…お茶会での母さんの呼び名だ!!ということは、『闇の舞踏会』ってのがライブ…。後の文章が母さんへの恋だと判断すれば、犯人は男になる…)」
コナンは、鋭い視線を林田と柏田に向けた
そして気づく
片方の男の手が、怪我しているのを…
そして、またマネージャーにこっそり近づいた
コナン「ねぇ、お姉さん。もう一つ…」
茜「ん?」
コナン「あの人、朝一で手の怪我なんてしてた?」
茜「え?してなかったと思うけど…」
コナン「(やっぱり…)」
コナンは、不敵に笑った