第21章 〜事件を吸引する素質が移りました〜
会場に入ってしばらく廊下を歩いて行くと、準備に忙しそうなスタッフさんたちが慌ただしく動いていた
その横を全員が頭を下げながら通って行くと、ステージが見えた
中央では何人か人が集まって話をしている
その中には集中して話を聞く椎奈の姿もあった
園子「あ、お姉さまいたよ蘭!」
蘭「ホントだ!あ…でも、打ち合わせの途中みたい…」
蘭がそう呟いたあと、話し合いの進行者らしき人が何か言ってそれは解散した
その場に一人になった椎奈が小さく息を吐き、蘭たちを見て固まった
椎奈「…いつの間に来てたの?」
茜「さっきお連れしたのよ。まだリハーサルまで時間あるから少し息抜きしておしゃべりしてきなさい」
マネージャーが微笑みながらライブの進行表を奪うと、椎奈は嬉しそうに頷いて蘭たちの元に行った
椎奈「いらっしゃい、みんな! ごめんね、迎えに行けなくて」
小五郎「いやいや、気にすることないぞ椎奈ちゃん!」
歩美「椎奈お姉さん、お仕事頑張ってるんでしょ?」
歩美の言葉に頷く足元の子供達を見て、椎奈が目線を合わせた
椎奈「そうだよ。応援してね?」
子供たち「「はーーーい!!」」
松田「おい、椎奈。俺たちは刑事組は無視ってか?」
子供達に笑いかける椎奈の後ろで少しふくれっ面な松田
他の警察組は隣でうんうんと頷く
椎奈が苦笑いで「はいはい」と適当に済ませて立ち上がった
そして、挑戦的な笑みで彼らに指鉄砲を向ける
椎奈「『私の母は「闇の伯爵夫人【ナイトバロニス】」。さぁ、今日は闇の舞踏会の始まりだ』」
全員「「??」」
椎奈「『バロニスはすべての男を虜にしました。さて、その娘に待つ運命はいかに?』…これ、解けなかったら許さないよ?お兄さんたちw」
伊達「…おいおい、警察の俺たちに挑戦状ってかw」
椎奈「どう思う?w」
そのあと、挑戦的な笑みを崩して笑うとマネージャーに呼ばれた
ごめん、と言ってその場を離れながら、ポケットから四つ折りの紙を出して小さく笑った