第20章 〜両親が帰ってきました〜
あれから数十分後
私と両親は、和人お兄さんとともに朝食を取っていた
もちろん、両親は姿を元に戻している
両親が反省して黙って食事するので、私が代わりに謝る
椎奈「…ほんとごめんなさい、お兄さん。お騒がせして…」
村田「いやいや、むしろなにもなくてホッとしたさ」
和人お兄さんは優しく笑って許してくれた。
いい人だよ、ホントに
ところが、不意に真剣な顔になった
村田「でも、椎奈さんのご両親はなぜ突然帰国を?」
有希子「え?ああ…新ちゃんと椎奈ちゃんの様子をね、見に来たのよ!」
優作「だが、椎奈はいるのに新一がいないだろう?これから探しに行くところだったんだよ。家族で話があってね…」
椎奈「!」
私はその話し合いにハッとなって和人お兄さんを見た
すると彼は顔を険しくして顎に手を当て何かを考え始めた
少しの間そうしていたが、彼はそっと顔を上げた
村田「…その家族の話というのは、今のご子息の状況…。つまり、幼児化した理由を知ってのことですか?」
有希子・優作「「?!!」」
なぜそれを知っているのか、と驚く両親
なにも答えなくても、お兄さんはそれをYesと捉えた
彼はそれに笑うと、懐からある物を出す
村田「俺は、警視庁警備局警備企画課ーーーいわゆる公安に所属する、村田和人と言います。そして……」
彼が出したのは、あの警察手帳だった
すると彼はさらに、自分のつけるマスクを外した
有希子「!!変装してたの?!」
村田「はい。これが、俺の本来の姿です。お母さんの方は以前一度会ったことがあるんですが…」
有希子「もちろん覚えてるわ!椎奈ちゃんを助けてくれた人たちだもの!」
あんなに怪我して帰ったのはあれ以降ないため、あれは母の中でかなり印象的なようだ…
優作「有希子、知っているのかい?」
有希子「ほら、椎奈ちゃんが大怪我してた時期あるじゃない?その時に付き添いしてくれたのよ」
優作「!ああ、あの時の…」
村田「はい。あれから俺ともう一人が公安に配属されまして、ある組織に潜入することになったんですがーーー」