生徒会室は寵愛の鳥籠(ONE PIECE長編学園パロ)
第3章 狙った獲物は逃がさない
パチパチパチパチ…
生徒会長・トラファルガーさんの挨拶が終わると、会場は拍手に包まれた
その傍らで、未だ状況が飲み込めていない私…呆然と立ち尽くしていると隣にいた幼馴染のシャチが小声で話しかけてくる
「なんで生徒会入ること黙ってたんだよ」
「ちょっと私もワケ分かんないんだって」
「ワケ分かんないって…高校デビューがコレだったんじゃねーの?」
「いやいや、私こんな派手なデビューするつもり無かったからね??」
「まぁ確かに、セナにしちゃ珍しいよなー。人前嫌いだもんな」
「ちょっ、痛いって!見られてるから!!」
なにが面白かったのかシャチは一人笑いながら、私の背中をバシバシ叩き出した。あとでシメてやるんだから…
足下からクスクスと笑い声が聞こえてきて、とても恥ずかしい。ヒューヒューとか言われててもう…っ
未だヒーヒー言いながら人の背中を叩こうとするシャチを避けようとしたとき
バァンッ!!
壇上の机を険しい表情で思い切り殴ってるトラファルガーさんが目に入って、会場に響いた音と共に私もシャチも会場も冷や水を浴びたように静まり返る
そしてツカツカと此方に歩み寄ってきたものだから、騒がしくしたことで怒られるんだと思わず身を固くして次のアクションに構えた
ガシッと肩を掴まれたことで、殴られるのを覚悟したんだけど
グイッ
チュッ
「?!?!」
「お前は俺の女だ…勝手に触られてんじゃねェよ」
「なっえっ、えっ?!」
展開がめちゃくちゃすぎて、言いたいことはたくさんあるのに1ミリも出てこないし
キスされた恥ずかしさとか、言われたセリフの意味とか取り敢えず色々考える時間が欲しい
これを言ってしまうと色々と認めてしまうことになる?と思うんだけどこの場をおさめるには方法を思いつかなかった
「す…すみません…」
「…分かればいい」
肩から手を離し、トラファルガーさんは踵を返して壇上から下りていく
その後ろ姿を見つめてまた呆然としていたら後に続いて皆んなも下りていくのを見て慌てて追う
最後の一段を下りきったところで、腕を引かれたと思ったらトラファルガーさんに隣に座るように促された
順番的には副会長の席だろうし、なんにせよ私が一番新入りのはずだから首を横に振ったけど当然受け入れられるはずもなく強制的に座らされてしまう
「あのっ…なんで、私なんでしょうか?」