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生徒会室は寵愛の鳥籠(ONE PIECE長編学園パロ)

第8章 楽しい学校生活のススメ


ああ…周囲の視線が、痛い


お姫様のように抱き上げられ、教室までの道のりを運ばれる
普段見ることはない目線の高さから、必然的に同級生を見下ろしていると

『あ…あの子たち』


此方を鬼のような形相で睨んでる女生徒が4人
昨日に教室で声を掛けてきたクラスメイトだ
あの時は、本当に付き合ってはいなかったけど
今の状況を見て、そんなこと信じてもらえそうにも無い

『そもそも、何を言っても恨まれそうだよね』

彼女たちはローが好きなのだ、多分
端整な顔立ちに、背も高くて生徒会長の彼は相当モテるのだと思う
そんな彼の隣に、並ぶのは本当に私で良いのだろうか

今更だけど思い込んでしまって、首に回した腕に自然と力が入っていたらしい

「どうした、体調悪ィか?」

顔が近付いてきて、ごく自然に額を合わせられる
ここが学校だとか、廊下だとか…考えないのかな、この人は

「熱は無ェな」
「あ、うん。大丈夫…教室着いたから、もう下ろして?」

ローが一瞬ムッとした表情になる
私は1年で、あなたは3年なのだから仕方ないじゃない
流石にここは下ろしてもらわないと困るのだ

「…終わったら、生徒会室に来いよ」
「もちろん!」

それでも渋々といった様子で、廊下に下ろしてくれた
全身のあちらこちらが痛むため、多少フラつきはするものの歩けないほどでは無く一安心

「セナ!!」
「あ、シャチ…と、ペンギンはいいとして。なんでルフィも?」

ルフィは2年なので、1年の教室でお昼を食べているのはおかしい…と思うのだけど
まぁ今私の後ろには3年が立っているので何とも言えない

「おーい、セナにトラ男!サンジの飯食ってみろよ!すげェうめぇんだ!」
「サンジ」

って誰?と聞き返そうとしたら誰かに手を取られて目線を落とせばギョッとする
いつのまに足元には金髪の男の人が跪いて、私の手の甲に軽く口付けていた

「ああ…今日はなんて素晴らしい日なんだ!俺の目の前に、こんなに美しい女神が舞い降りた!」
「あ、あの?」
「俺の名はサンジ。女神のお名前を伺ってもよろしいですか?」
「えと、白石 セナです」
「セナちゃん、とお呼びしても?」

サンジさん?はすごーくキラキラしたオーラを纏っていて、歯の浮くような言葉をスラスラと畳み掛けてくる

「ええ、いいですよ」
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