生徒会室は寵愛の鳥籠(ONE PIECE長編学園パロ)
第7章 鎮めるモノ(*)
どこか苦しそうに絞り出された言葉と、真剣なローの表情に息を飲んだ
いつもの余裕はどこかへ消えてしまっているようで、何がそこまで彼を追い詰めたのか分からない
私はローという人をまだよく知らないのだけど
幼馴染の彼らなら、今のローを見て上手く対応できるのだろうか
そもそもこんな風になるのはよくある事?…きっと違うよね
昨日から見ている彼の殆どは自信と余裕に満ち溢れていたはず
『私が、原因?』
どうして、こんな年下のごく一般的な私に
モテて頭も良くて生徒会長でもあるローが
こんなに執着して、そして好きだと、側に居ろと言うのか
昨日まで、1人部屋で冷静になれば
からかって遊ばれているのだろうと正直思っていた
でも今目の前で、真剣に私を引き止める声に、姿に
嘘もからかいも含まれていないのは、一目瞭然
「ごめんなさい…」
どうにか逃げようとしたことだけではなく、昨日まで疑っていたことや色々な謝罪を込めて
「…俺のことが、怖いか?」
「え?」
「脅された気分で、付き合ってんじゃねェのか」
確かに顔、というか目つきは怖いけど…あと背も高いのは、見下ろされてる威圧感があるのは確か
だけど決して、そんな事だけで絆されたりしないんだから
体重をかけて肩を押し、再び上体を床に倒してビックリしてる唇に口付ける
ローがするみたいに全然上手く舌を絡められないけど、脅されて付き合うなら私からこんなことしないでしょ?
拙い行為に焦れたのか、いつの間にか後頭部には手が添えられていて更に深く唇を合わせられた
熱くヌルついた舌が縦横無尽に口内を暴れている
「ッハ…」
「んぅ、ふ…」
さすがに息苦しくなって顔をあげれば、銀色の糸が紡がれていたのが恥ずかしい
「いきなり、なんだ」
少し息を乱しながら、欲をギラつかせた瞳が私を見上げる
「ローのこと、怖くなんてないんだから」
「はっ?」
「だから私はローのことが好きなの。好きだから、付き合ってるんだからね!」
「…クッ」
「なんで笑うかなぁ!」
「ックク…悪ィ、怒んなよ」
笑いを堪えて肩を震わせてる、その振動が乗っかっている私にまで伝わって恥ずかしさ倍増だ
でもいつも通りのローに戻ったみたい
「で、」
「ん?きゃあっ!」
勢いで起き上がった体から転がり落ちて、今度は反対に押し倒されてしまった
「覚悟はできてんだろうな?」