生徒会室は寵愛の鳥籠(ONE PIECE長編学園パロ)
第6章 焦がれる指先
俺の下半身に跨っていたかと思えば、そこで主張するナニかに気付いて慌てふためいてやがる
湯気が立ちそうなほど真っ赤になって、すぐさま退こうとするのが分かった
当然そうはさせまいと、腰を掴んで阻止する
例えどんな理由だろうが俺から離れんじゃねェ
小さな小さな束縛が顔を見せたのがいけなかった
「っなっ!」
「なぜ逃げる?」
分かりきった答えを敢えて問うてやる、そうすれば今度は全身が朱に染まるのだ
羞恥に戦慄く小さな唇が、空気を求めた金魚のようにパクパクと意味のない動きを繰り返す
「離してよ…」
「いやだと言ったら?」
ようやく口に出された言葉は、再び俺と距離を置こうとする意志表示
冷静な頭ならば、当たり前の対応だと分かってやれたかもしれない
ほんの小さな束縛、そして独占欲だったはずなのに
セナの言葉を受けて一気に膨れ上がったどす黒く淀んだ感情を、俺は知らない
「昨日俺を誘ったのは、誰だったろうなァ」
上体を起こし、掴んでいた腰を引き寄せれば耳元で吐息とともに囁いてやる
ブルリと身を粟立たせて胸を押そうとするから、より強く引き寄せ可愛らしい唇を食んでやる
「んぅ」
頑なに閉ざされた唇に舌を這わせながら、空いた手をブラウスの裾から滑り込ます
「!ん、ぁっ」
いきなりのことに驚いて唇が緩んだ隙に舌をもぐり込ませて逃げようとする舌を絡めとり強く吸い上げれば、支えている腰がビクビクと波打つ
下着のホックに手をかければ、再び状況を思い出したのか逃げ腰になるのをキスで制する
これ以上、俺から逃げようとするな…優しく、できなくなっちまう
「ふはぁ、ッ」
「逃げんな…」
「…ロー?」
こんな感情に支配されることなんて生まれて初めてだった
今まで時間をともにしてきた、身体を重ねてきたやつらに
誰1人として、そもそも感情すら持ち合わせていなかったんじゃねェか
なのに
昨日会ったばかりのお前は、どうしてこんなにも俺を掻き乱すのか
セナのたった一言が、俺の意に反した獰猛な獣を呼び覚ましやがる
「優しく、」
「え?」
「優しくシてやる、だから…逃げんじゃねェ」
過去のやつらとは違うのに、本能のままに目覚める獣は
下手すりゃセナに1番手酷いことをしかねない
本能のままに、欲望のままに
焦がれる指先から狂ってしまいそうだー