• テキストサイズ

生徒会室は寵愛の鳥籠(ONE PIECE長編学園パロ)

第19章 お前を許さない



「っしゃー!んじゃ、帰るぞー!」

ルフィの掛け声に、準備万端となったトビウオたちが次々と空高く出発してゆく

ナミとセナを乗せたトビウオが発つ直前、たしぎとスミレが駆け寄る

「セナさん!どうかお元気で!」
「たしぎさん、スミレさんも有難うございます!」
「今度会うときは、是非学園の案内をお願いするわ。ローにはすっぽかされてしまったから」
「そうなんですか?!それはすみません…」

申し訳なさそうに頭を下げたセナの隣から、不機嫌な声がスミレを咎めた
ナミたちの隣につけたトビウオに乗るローが、渋面を作り此方を睨んでいる

「余計なこと言うんじゃねェ」
「ふふ…本当のことでしょう?責任取ってもらわなきゃ」
「是非学園に来られた際は必ずご案内しますから!」
「オイ、セナ…ッ」

「ええ、楽しみにしているわ」

完全に受け入れ態勢のセナに、ローが声を荒げた

2人の様子にナミとコラソンは肩を竦め溜息を吐き、たしぎとスミレは微笑ましく見守っている

「じゃ、行くわよ」

一連のやり取りに終止符を打つべくナミの掛け声を合図に、トビウオが空に羽ばたく
続けてローとコラソンの乗るトビウオも飛び立った

水を得た魚たちは、空の彼方で煌めいて消えてゆく




「サカズキ校長、奴らの後を追いますか」

学院の中枢にそびえ立つ塔の最上階、消えゆく光を見つめながら無表情のままのサカズキに部下が問い尋ねた

「ひとまず放っておきゃァええ…どうしたってワシからは、逃げられん」

ほんの少し笑みを浮かべたサカズキは腕を組み、窓の外を睨みつける

-----


海楼学園の敷地内にある大きな池に、巨大な水柱が立ち激しい飛沫か辺りを濡らした
周囲に居た生徒たちが目を丸くして凝視していると、巨大なトビウオに乗った校内でも目立つ面々が姿を現す
全員が地上に降り立つと、トビウオは再び空高く飛び立った

「わぁ…びしょ濡れ」
「セナ」
「あっ、ごめん。制服濡れ…え?」

セナの腕を掴み、無言で何処かへ連れて行こうとするローに目を丸くした

「ロー?」

声を掛けても返事はなく、生徒会室にたどり着く
室内に押し込められるとローが後ろ手に扉の鍵をかけたのが見えた

そしてようやく、ローが口を開く

「…言ったはずだ、俺はお前を許さないと」
/ 369ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp