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生徒会室は寵愛の鳥籠(ONE PIECE長編学園パロ)

第19章 お前を許さない



何処か遠くで、爆発のような音が聞こえたことで一気に教室内がざわつき始める

無論セナもたしぎも、慌てて窓の外に視線を移した
すると学院内の奥の方で、白煙が立ち上っているようだ


「何があったんでしょう…」

セナが窓の外を見つめながら、不安げに呟くと同時に、けたたましい非常ベルが校舎内に響き渡り始める

“侵入者が学院内に潜伏している模様!全員速やかに配置につけ!”

校内放送のスピーカーから、焦りのような怒りのような声で指示が飛ぶ
それに合わせて生徒たちが、慌ただしく教室を出入りしているけど、セナは見ていることしかできない

「セナさん!…ッ」

たしぎがとりあえず自分の側を離れないよう、セナを振り返り声を掛けようとした刹那、その顔色が変わる

そのことを不思議に思い振り返ると、そこには初めて見る男が立ちはだかっていた
どうやら連れてこられた黄猿と同じジャケットを羽織っているところを見ると、学院の幹部らしい

シワが深く刻まれた強面の顔つきは、無表情にセナを見下ろしている
太く鍛えられた首元から、桜文様の入れ墨らしきものが覗いているのが更に威圧感が増していて恐怖からか動けない

「白石 セナ、で間違いないか?」
「そ、うですけど…」
「一緒に、来てもらう」

「ッ、待ってください!サカズキ校長」

セナの肩に手を添え、教室を出るように促す男にたしぎは声を振り絞った
サカズキと呼ばれた男は振り返り、無言でたしぎに視線を落とす

「彼女を、何処へ連れて行く気ですか」
「…何故そんなことを知りたい」
「私は、彼女の友人ですから…上から、学院内での世話も任されています」

圧倒的な威圧感に、気圧されそうになりながらもどうにか会話のやり取りを続けていると
バタバタと複数の足音が近づいてきた

『サカズキ校長!侵入者の人数等、状況判明致しました!』
「報告しろ」
『『ハッ!』』

横一列に並んだ教師や生徒たちが、ビシッと敬礼をしたまま、順々に口を開く

『侵入者は全部で10名!教師2名、生徒8名。いずれも海楼学園の人間のようです』
『教師の2人は、この学院出身の者と判明しました。どちらも悪魔の実の能力者です』
『生徒のうちにも能力者が3人、現在教師・生徒総出で捕獲を試みております』
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