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生徒会室は寵愛の鳥籠(ONE PIECE長編学園パロ)

第17章 優越感と劣等感【キッド夢】



不思議そうにしているセナもさながら、すっとぼけたコトを言うトラファルガーに思い切りツッコんでしまった

「私たちのせいでご飯が美味しくないって…サンジさんのご飯はいつでも美味しいよ?」
「セナちゃんに褒めてもらえるなんて天にも昇る心地だよ〜ッ」
「黒足も引っ込んでろ」

話がややこしくなるから、テメェらは出てくんな

「?なぁに」
「さっきのは、お前も悪い」
「さっきのって…ルフィの頬っぺたのこと?」
「ああ。トラファルガーの気持ちも考えてやれ、お前が一番分かってんだろ」

俺がトラファルガーの味方をしたような物言いをしたことに、周囲がどよめいたのが空気でわかる
トラファルガーのことは気にくわないが、喧嘩をすれば結局どうしたって傷付くのはセナも同じだ

「でもあれは」
「納得いかねェなら、日曜の約束はキャンセルだ」
「えっ、なんでそうなるの?!」
「生徒会の用事が終わって、トラファルガーと行けばいいだろうが」

元々甘いモン苦手だしな、俺

「テメェも、それで文句はねェなァ?」
「…どういう風の吹き回しだ」
「別に?テメェだって行きたかったんだろ、セナと」

しかしプライドが許さないのか、渋面のまま黙っている

「貸しとか思ってねェから安心しな」
「?!お前…本当にユースタス屋か?」
「どういう意味だそりゃァ」

どいつもこいつも、俺のことをなんだと思ってやがんだ

でもまァ、この居心地のいい空間に居られるようにしてくれたのはトラファルガーとセナだしな
これくらいで、借りが返せたとは思えねェが…少しは感謝してんだよ、俺だって

キーンコーンカーンコーン

「げっ、チャイム!」
「まだ予鈴よ!急いで戻ればアンタらなら間に合うでしょ!」
「ルフィいつまで食ってんだ!戻るぞ」

麦わらの仲間がドタバタと騒ぎ出して、教室全体も慌ただしくなる
急いで教室を出る間際、そいつらが続く俺を振り返ったと思えば

「「また明日な(ね)!」」

そう言って、各々の教室に散ってゆく。人の返事を待たず、寧ろ当たり前のように

「ああ、またな」

いつの間に優越感も劣等感も、とっくに霧散していて、白も黒もなく…馴染んでしまうのも悪くねェもんだな

なんて思う辺り、俺も随分毒されてんだろうよ、こいつらに
でもまァ、やっぱり悪くはねェけどな…

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