生徒会室は寵愛の鳥籠(ONE PIECE長編学園パロ)
第5章 自己紹介はマニアックなくらいがいい
ちゃんと掴もうとしたのに、引き気味な私の手が攫われるように目の前の大きな手に捕まれた
本当に何処までも強引な人だと思う
「これでセナも晴れて生徒会の一員か〜!」
「おめでとう、俺は一緒の役員だし宜しくな?」
「うんうん、シャチもペンギンもこれからよろしくねっ」
「おい」
捕まれたままの腕を引かれ、向き直ると不機嫌そうな会長さん…というか、拗ねてる?みたい
「あ、改めてよろしくお願いしますっ!会長さん」
「…ロー、でいい」
「いやいや、会長なんですから!しかも先輩ですし、」
「俺がいいって言ってんだ、ほら呼んでみろ」
「呼べませんって!きゃっ」
「俺の気が長いうちに呼べねェなら、このままキスするぞ…いいな?」
腕を引かれ机の上に前のめりの状態、吐息が触れそうなくらいの距離に会長さんの顔があってそんなこと言われたら
「呼べませ、ん」
「それはキスして欲しいと捉えるけど、いいんだな」
「違っ…」
「ホラ」
「ッッ…ぅ、ロー…」
「…堪んねェな」
「やっぱりロー会長で譲歩して下さいっ!」
「断る」
「即答?!」
もう頭の中はいっぱいいっぱいで、取り敢えずロー会長から逃げないと私の心臓が保たない
「まぁまぁ、会長。あんまセナをいじめんで下さい」
「意外と免疫ないんですよねー俺らと居たわりには」
ペンギンに肩を抱かれて、シャチに頭をグリグリと撫でられる
ロー会長は私の手を離すと、盛大な舌打ちをして2人を睨みつけてる
どうしたものかとオロオロしていたら、大きな音を立ててドアが開く
「ワリィ、いつの間にかHR終わっててさァ…いやぁ参った参った」
「参るのはお前じゃなくて、こっちだと思うが」
「んあ?トラ男なんか機嫌悪ィのか?すっげぇ怖い顔してんぞ」
「うるせェ」
入ってきたのは、大きなあくびをしながら麦わら帽子を被りなおしてる副会長さん。そういえば居なかったよね…
というか、この生徒会には帽子を被ってなきゃいけないルールでもあるの?私以外皆んな帽子を被ってるのだけど
「たまたまだって」
「そーそーたまたま」
「お前ら何言ってんだ」
ペンギンとシャチが私の心を読んだような返しをしてくる。口に出てたのかな?
でもロー会長はピンときてないようだ…えー2人が怖い
「で、こいつ…誰だ?」
「えっ」
「お前も生徒会入んのか?」
「えっと、私は…」