生徒会室は寵愛の鳥籠(ONE PIECE長編学園パロ)
第15章 ステキな出会い
ガラガラガラッ
2人きりの保健室に、突如扉を引き開ける音が響いた
「しっつれーしまァす」
間の抜けた声がしたかと思うと、足音が近づいてくる
「おっ、2人とも居たい…ッ?!」
「えっ、サンジさん?!」
「なぜ黒足「ロー!テメェ、何レディ泣かせてんだ?!」屋がここに、ってうるせェ…」
金髪に無精髭、特徴的なグルグルと巻いた眉毛をもつ
この学園の制服を着た男子生徒がひょっこり顔を出した
2年のルフィと同じクラスであるサンジだった
が、彼は2人を目にとめた途端烈火の如く怒り狂う
何故なら、セナが泣いていたからだ
その頰を包むようにしているローに、サンジの怒りの矛先が向く
「別に何もしてな「何もしてないワケねェだろーが!セナちゃんメチャクチャ泣いてるじゃねェか!」
「あの、サンジさん落ち着いて…」
「ああ、泣いてる姿も美しいが…やっぱりレディに涙は似合わねェ。どうかプリンセス、涙を拭いてくれ」
サンジは悩ましげな表情でどこからともなく真っ白なハンカチを取り出すと、ローの手を引き剥がしセナの涙をそっと拭う
「おい」
「ローの野郎に、どんなひどいことをされたんだい?良ければオレに話してくれないか?」
「えっと、」
「おい黒足屋、セナに触んじゃねェ」
涙を拭うために軽く添えられていた手を、ローが強く掴み上げ引き離す
掴み上げたままセナを背に庇うように割って入り、サンジと対峙した
静かに睨み合う2人に、ローの背後からセナが慌てて声をかける
「サンジさん!私っ、勝手に泣いてただけで!」
「勝手に?でもそれにも理由はあるだろう?」
「それに俺は関係…あるが、別に泣かせたりはしてねェ」
「いやそれ矛盾してんだろ…」
「私が勝手に嬉しくて泣いちゃっただけなんです!それより、サンジさんはどうして此処へ?」
背後から前に回るとローの腕に手を添え、掴まれていたサンジの手を解放させながら話題を変えるように問い掛けた
するとサンジは本来の用件を思い出したように、近くの棚に置かれていた包みを手に取る
「2人が昼休憩に現れねェもんだから、またメシ食いっぱぐれる前によけておいて、食わせてやろうと探してたんだ」
包みを解いて現れた小ぶりな二段の重箱には、開くと鮮やかな料理たちが宝石のように詰められていた
「わあ…!」