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生徒会室は寵愛の鳥籠(ONE PIECE長編学園パロ)

第14章 星空は海に沈む


余裕の笑みを浮かべて、自信満々に鼻で笑ったローに思わずセナも笑みをこぼす

「愛されてる自覚があるなら、分かってるな?」
「…うん、もう逃げない。私の運命からも、ローからも」
「ならいい」

掴まれていない手で、頭をぐしゃぐしゃと撫で回す
特に抵抗をすることなく、されるがままに撫で回されてセナの髪はボサボサになった

すると乱れた髪に隠れた目元から、再び涙が伝い落ちてくる

「何故泣く…」
「だって…嬉しいんだもん」

掴んでいたローの手を離して、今度はその胸に飛びつき顔を埋めた
すると背中に優しく腕が回され、後頭部を撫で付ける

「子どもか」
「失礼な!…よくよく考えたら、私の初恋叶ったんだよ」
「初恋?」
「私の初恋はあの時のお兄ちゃん…ローだったんだもん」

スンスンと鼻を鳴らしながら、伺うように眉を下げてローを見上げた

「マセたガキだな」
「なんでそういうことしか言えないの!」
「俺の話だ」
「へ?」

ローにとっては初恋など生易しい感情ではなかった
セナを手に入れたいと、幼いながら欲望を抱いていた
ほんの一瞬で、セナという人間を強く求めていたのかもしれない
だから手を差し伸べた、自分だけのモノにしたくて

「…ありがとう」
「急にどうした」
「だって、入学式の日…私を見つけてくれたでしょう」

全ては偶然かもしれない、けれどセナにとっては確かにあの日救われた
幼い日、1人の少年によって助けられたように

まさかどちらも同じ人物だとは思ってもみなかったが

「ローに助けられてばっかりね、私」
「別に気にしてねェ」
「私が気にするの!」
「だったら側に居ろ」

セナが側にいることが、ローにとっては一番心穏やかでいられる
たったそれだけのことを強く、強く願うばかりだ

見上げていた大きな瞳から再び涙が溢れだす
ローが両手で頰を覆えば、涙は手を濡らしてゆく

セナはこの大きな手に何度も救われた
ローは星空のような美しい瞳に幾度と惹かれた


「側にいる…ううん。側に居させて?」
「離してやる気はねェけどな」

ローが目尻に唇を寄せてから、真っ直ぐと見つめる

「愛してる」
「私も、愛してる」

海に溺れた星空をすくい上げたのは、あの頃と同じ
愛と優しさに溢れた、消毒液の匂いと温かく大きな手
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