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生徒会室は寵愛の鳥籠(ONE PIECE長編学園パロ)

第13章 自由を求める男


あの時の小さな少女に、そのようなむごい決断を迫ったのか
まともに物事も判断できないような、年端も行かない少女に対して

自ら死を選ばせたのか、ドフラミンゴという男は

そしてその少女が…セナ


「テメェは絶対許さねェ…!」
「ロシーもお前も、セナも虫唾が走る!自己犠牲なんて、ただの負け犬の悪あがきじゃねェか!!!」
「うるせェ!人の心を踏みにじる事しか知らないお前に、コラさんやセナの気持ちが分かってたまるか!」

タンッとコンクリートの床を蹴り、宙で愛刀を鞘から抜き去る

“ROOM-”

屋上に立ったままのドフラミンゴの周囲に、半円状のサークルが現れる
何故かドフラミンゴは動かなかった

「ロー!取引をしようじゃァねェか!」
「ッ?!」
「お前じゃ、国からセナは守れねェ…オレの力が必要なんじゃねェのか?」

逆光で表情の読めないローに向かって、下卑た笑いを浮かべている

「セナを共有するってのはどうだ」
「断る」
「交渉決裂か」
「当たり前だ」

パッとローの姿が消えたかと思えば、ドフラミンゴと至近距離に現れた
しかし表情を変えることもなければ、やはり動かずにいる

“ガンマナイフ!”

「グ…!」
「…お前、影じゃないのか…?」

刃を刺した感覚が確かにある、目の前の大男は口からゴプリと血を吐きだした

「ッハァ…ま、死なねェがな」
「何故、避けなかった」
「さァ…自由に、なりたかったのかもしれねェなァ」

よたつきながら立ち上がり、ドフラミンゴはローが来た時のように空を仰ぐ


「能力者は、その能力を身につける運命なんだと思わねェか、ロー」
「悪魔の実に、選ばれてるとでも言いたいのか」
「ああ…だから俺たちは、こんなところに閉じ込められてちゃァ…戦えねェ」

ドフラミンゴが両手を広げると、それを合図に地鳴りが始まる
学園が、校舎が音を立てて崩れ落ちてゆく

いや、実際に崩れ落ちているのはその外壁
全てが崩れ落ちて現れたのは、真っ白な学園の姿

「能力者ども!よォく聞け!今日からお前らは自由の身だ」

ドフラミンゴの声に、各所から歓声が上がる

「…ただし、一般人を傷つけるような行為は校則違反として厳しく罰する」
「お堅いな生徒会長」
「当たり前だ」
「守れよ…セナを」

その手はもう自由なのだから
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