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生徒会室は寵愛の鳥籠(ONE PIECE長編学園パロ)

第12章 ちょっと一息つきましょう(*)


「セナさんとは真剣に結婚まで考えています。必ず幸せにします、許してくれますか?」
『……』
「?」
『セナったら、なんていい人を捕まえたの!勿論許すに決まってるわ、ローくん!これはお父さんにも報告しなきゃ!!』

握られていたローの手をやんわりと離し、母親は興奮したまま嵐のように一階へと去っていった
再び部屋に静けさが戻ってくる


「これで親公認だな」

普段の口調に戻ったローは、未だ呆然と座り込んだままのセナに視線を合わせてしたり顔で笑った
その言葉を聞いて、ようやく我に返ると真っ赤になって目の前の頬を思い切り抓る

「ひへェ(いてェ)」
「なんで結婚とか言うかなぁ?」

あっさりと娘の未来を許してしまう母親も母親だが、勝手に話を進めてしまうローもローだ
この後、どんな顔をして親と話せばいいのか
抓っていた手を離し、深く肩を落とした

「何もねェときに言っておいたほうがいいだろう」
「なにも無い?」
「子どもが出来てからだと、既成事実になっちまうだろうが」
「あ…」

そういえば昨日の夜、身体を重ね合わせたときに確かにローはナカに熱を放ったのだ
今でもそのときの熱を思い出せる身体は、もしかしたらそのまま命を宿すかもしれない

「だから今でいい」
「うーん、なんか上手く言いくるめられてるような」
「俺の覚悟だ、有り難く受け取りゃいいんだよ」
「…うん」



その後、結局立つことのできなかったセナを抱えて一階に降りたローは
階段下でセナの父親に遭遇し、両手を広げての大歓迎を受けた

ローがシャチとペンギンの知り合いでもあるということで、両隣の家族も巻き込んでこの日の夜は大宴会が行われたのである

「おばさんから電話あったときにはビックリしたぜ!」
「ホントにな。セナの婚約祝いするって、何事かと」
「ほんっと、恥ずかしい…」

ジュースを飲みながら、シャチとペンギンに弄られて居た堪れない
ローに至っては平然とした顔で、時々猫をかぶりながらその様子を静かにみていた

「会長も、中々気の早いことをやりましたね」
「まっ、手も早いけどな」
「シャチ…あとで覚えとけよ」
「ヒー!勘弁してくださいよぉ!」


賑やかな休息は終わりを迎えようとしている
新たな波乱の幕開けは、もうすぐそこまできているとは知らずに…―
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