第12章 ちょっと一息つきましょう(＊)

「相変わらず感じやすいな」
「そん…、ァ、ふッ」

ローの言葉に反論しようとするが、口を開けば更に声を上げてしまいそうで再び口を噤もうとする
だがそれをローが許すはずもなく

「ひゃあ！」
「声聞かせろ」
「あっ、や…ンンッ」

口を閉ざそうとするタイミングで、乳首を捏ねるように撫でられ続ければ声は止まることを知らず寧ろ溢れてしまう
更には空いていた方を口に含まれて、強く吸い上げられれば甲高い嬌声ばかりが口を吐く

「ふぁあああ！」
「口でされるの好きなのか？」
「ちがっ、やだ…も、ッ」
「身体は嫌がってねェみたいだが」

唇を離そうとすると、名残惜し気に胸を突き出す格好になっているとは気づいていないようだ
更に言えば、ベッドのシーツに小さく染みが出来ているのも知らないのだろう

「これ、下着の意味あんのか」

下半身に身に着けている下着の紐を指で引っ掛けて軽く引っ張ると、食い込むのかより蜜が溢れてくる
ほぼほぼ、紐のような形態のソレは…完全に実用性には欠けているように思えた

「やっ、食い込むから…！」
「食い込んで、気持ちイイんだろうが」
「バカ！そんなわけ、ぁっ」

ぐいっ、とわざと食い込むように引き上げればちょうど蕾部分を掠めたのか、甘い声が漏れた

「そんなわけ？」
「ッッ…ローなんか嫌い！」
「俺は淫乱なセナが好きだが？」

言い方はともかく、はっきりと言いきられてしまえば思わず言い返せなくなる
でもやっぱり

「淫乱じゃないから！」
「どの口が言ってやがる」
「ひゃんっ！」

言い返すことに集中していれば、下着の隙間から直接指が潜り込んできたのに気づかず声を上げた
入り口の辺りをやわやわともみ込むように撫でられれば、甘い声とともに熱い吐息が漏れる

「や、ぁ…っ」
「嫌なら、突き飛ばしてでも逃げればいい」
「ッ…？なん、で」
「さっき言ったのは、本気だ」

真っすぐ見つめてくるローの瞳は真剣そのもので、もし本当に身籠ったのなら責任を取る覚悟なのだ
そんなに思われ、逃げられるわけがない

セナは深く息を吸い込んだ

「私だって、本気だよ？」
「本気…？」
「私も、ローを受け止める覚悟できてるってこと」

さっきまで不安になっていたのはなんだったのだろうと不思議に思う
ローはいつだってセナの不安を消し去ってくれるのに