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生徒会室は寵愛の鳥籠(ONE PIECE長編学園パロ)

第12章 ちょっと一息つきましょう(*)


『…こいつ、誘ってやがんのか?』

扉を少し開けたところで入ってくる気配のないセナを不思議に思っていると
再び扉が閉じようとしたので咄嗟に掴んで、引き開けた

反動で腕の中に収まった小さな身体は、よくよく見ればやけに露出度の高い服(下着?)を着ているようで
冒頭のようなことを考えても仕方がないとローは誰にでもなく言い訳をする
思わず真剣な顔で無言になってしまった

「ご、ごめ…っ」
「謝られる理由が分からねェ」
「似合わないでしょ…?ごめんね」

『ああ…』

きっと彼女のことだ、自分が無言になったのを『似合わないから絶句した』とでも勘違いしている
数日前に初めて会った時も、泣いてしまった姿に同じようなことを言っていた

「誰も言ってねェことで、勝手に謝んな」
「言ってなくても思ってるでしょ?」
「……ハァ」

こうなった場合、非常に面倒くさいのは承知済みだ
とことん耳にするものすべてをマイナスに捉える、ある種の才能ではないかと思うほどに
腕の中の身体を、引き寄せてより密着させると耳元で囁く…より先に

「なんで?」
「あ?」
「硬く…なってるの?」

見上げてくる顔を茹でダコのように真っ赤に染めて、口をパクパクとさせてぎこちなく首を傾げている
密着させた際、既に熱く滾っていた自身が当たっていたようだ

「理由もなく勃つワケねェだろ」
「えっ…え、っ?」
「まだ分かんねェのか…」

自分の今の姿がひどく煽情的である自覚はないのか。こっちは襲いたい衝動を抑えるのに必死だというのに

「似合ってる?」
「…欲情するくらいにはな」
「ふふ、そんなのローくらいだよ」
「相変わらず呑気すぎだ」

セナは警戒心や危機感というものがほぼ備わっていない気がする
それは彼女の幼馴染2人が大事に大事に守ってきたからだろうか、…定かではないが

しかし元々警戒心や危機感に無縁というワケではなさそうで。友人など周囲の人間に対するソレは、過敏すぎるくらい反応する。それなのに

「私たち、同じ香りがする」

首に腕を回され、頬に頬をすり寄せてきたかと思えば耳元で嬉しそうにそんなことを言う
先ほどまで疑って不安になっていたはずだ

順応性が高いといえばそうだが、ルフィたちやキッドに対してもそうだった
自分に向けられる感情には分け隔てなく、少しでも好意があれば受け入れる
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