生徒会室は寵愛の鳥籠(ONE PIECE長編学園パロ)
第12章 ちょっと一息つきましょう(*)
「あの、その…ローが…いいなら」
上目遣いで窺うようにローを見上げれば、一瞬真っ赤になって口元を押さえながら顔を背けられた
「…仕方ねェな」
「…いやなら別に「嫌なワケねェだろ。…泊まらせろ」あ、うん」
素直になれない上に、初々しい反応をする2人を呆れたように4人が見守る
「お兄様ったら、素直じゃないんだから」
「ホント手のかかるバカップルだわ」
「プレゼントちゃんと着てくれるかな…」
「ナミさんがちゃんと誘導してくれたから、大丈夫ですよ」
友人から贈られた紙袋の中身は、密やかな夜のお楽しみ…―
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話がまとまったところで、早速ラミが家に戻って話をしてくると帰っていった
ローの泊まりの荷物はラミが両親に説明したのちに、近所まで届けてくれるそうだ
ナミ・ビビ・カヤは夕方からそれぞれ用事があるということでこれまた足早に帰っていく
嵐のように去っていった4人に、取り残されたような形でセナとローは玄関前に佇んでいた
「と、とりあえず中に入ろっか」
「そうだな」
登下校のときも学校外で2人きりというシチュエーションなのだが
今はそんなことも忘れてしまうほどお互いにドギマギしている
今夜から明日にかけて、誰に邪魔されることもなく2人きりになるのだ
意識しないわけがない
「お邪魔します」
「どうぞどうぞ…」
「ふっ、」
「なっなんで笑うの?!」
「いや…お互いに緊張してんだなと」
付き合い始めてまだ4日なのに、恋人として顔を合わせている時間は長い方だと思う
それでも慣れることはないし、こんなにもドキドキする
「慣れないよ…私なんか、何もかもローが初めてなんだよ?」
「それは光栄なこった」
「むぅ…」
「なに拗ねてんだ」
「私だって、何かローの初めてが欲しい…」
恥ずかしそうに、だけど拗ねたように唇を尖らせて大胆なことを言うセナにどうしようもなく情欲を掻き立てられてしまう
ここが玄関先だということも忘れて、夢中で目の前の愛しい彼女を抱きしめた
「クックック…」
「また笑ってる」
「もうとっくに、俺の初めてを奪ってるよ。お前は」
「うそだー」
出会った時から、この心を掴んで離さない…初恋とも呼べる感情を生み出させたのは紛れもなくセナなのだ
それに
「こうやって女の家に泊まるのも初めてだ」