第24章 忘れてねェか。

『期待しないでね………』

カナエはローの大きく反り立った先の割れ目を舌先で舐めた。
口に含んだ時に引っ掛からない様に自分の唇を舐めた後、裏筋や竿の部分を舌先で潤す。

「………っ！」

少し反応があった気がした。
ローに視線をやると、こちらを見下ろしていた。少し口を開けて、眉を寄せたその顔が何とも艶かしい。

感じているかどうかは分からない。
でも、そんな顔をされたら堪らなくなる。

『ん………』

カナエは口内に密着させるようにローのものを口に含ませた。
舌で先端や窪みの部分をくるくると刺激しながら、顔を前後に動かす。

「………はぁっ……」

吐息が聞こえた。
でもベッドボードにもたれ掛かっているローの顔は上を向いていて、表情が見えない。

(気持ち良いかな……分かんない……)

するとローが頭の後ろに手を置いた。
優しく撫でた後、カナエの動きに合わせて強く押してくる。ローのものが口の奥まで入ってきた。

『んんっ………！』

「くっ……」

苦しい。顎も疲れてきた。
でも、上手くできないなら頑張るしかない。
カナエは舌や顔を必死に動かした。

するとローは、カナエの肩を掴んで動きを止めた。

「カナエっ………もういい！」

(あ……まただ。)

やっぱり下手なのだろうか。
今までの相手の様に、また途中で止めさせられた。
カナエは何故かその場に正座した。

『ご……ごめん……』

「あ？」

『全然気持ち良くないでしょ……ごめんね』

「何言ってる。」

『その……今までも満足させた事は無くて……今みたいに、もういいって事が多くて……』

本当に何を言ってるのか。ただの言い訳でしかない。
カナエの正座は、自分が情けなくて反省の意を示すものだった。

「おい。」

『わっ！』

突然ベッドに押し倒された。
倒れたと同時に唇が重なり、口の中で舌が絡み合う。
ローは激しく口内を侵した後、下唇に軽く噛みつき唇を離した。

『はぁっ……痛い………』

「俺にやきもちでも妬かせてェのか。」

他の男の話なんかしやがって。
イキそうだったから止めさせた。
カナエの口の中を汚すのは不本意だ。
それに、どうせイクなら
締め付けて吸い付いてくる最高に気持ち良いこいつの中だ。