第1章 アイドルになれる!
キラキラした世界に憧れて踏み出した子供時代。
なかなか有名にはなったけど人間関係は妬みや嫉妬、陰口に塗れてた。
母親が有名な女優だったというだけでネームバリューはあったから。
でもそれは実力じゃない。
引退した母と都会から離れて、暗い世界から逃げて田舎でほそぼそと生活してた。
田舎は顔が知られてた時代とは違って妬みも嫉妬もない。
そんな不自由のない時代にふと舞い込んだテレビ番組。
「なんかすげーな。この人たち・・・」
アップテンポな曲調に合わせて動き回る笑顔が輝いてた男性達。
ライトアップされた舞台で女性の喝采を浴びながらひとりひとりにファンサービスする。
「あら、IDOLiSH7じゃない」
「IDOLiSH7?」
「いま売れっ子のアイドルよ。また新曲出したのね」
曲が終わり、ステージは幕を下ろす。
圧巻だった。俺の理想はそこにあった。
テレビから目の離せない俺を見て母が話しかける。
「この子達のステージ見てみない?」
「・・・へ?」
「私、劇団にまた呼ばれててね。春樹が子役のとき都心は辛い場所でしょ?だから返事渋ってたのよ」
「行きたい!行く!生で見たい!」
すると母は優しく笑顔を浮かべる。
「輝かしい世界がやっぱ春樹には似合うわよ」
「見るだけ!見るだけだから!」
この先の出会いが運命を変えるとは俺は予想してなかったわけだけど。