第60章 五色/初めてです!
「エースは奇跡を起こすっ!」
いつも若先輩に張り合っている
五色工は、私の中学からの後輩くん。
昔からあんなだった…。
「名前先輩!
やっぱりエースとしては俺は
まだまだでしょうか?!」
「あ、いや もうちょっとで
追いつくんじゃないかな…?」
「!! あざっす!!」
そして昔から、ちょっと苦手だった。
話しかけられたら
なんて返せばいいのか
わからなくなるし…無駄に元気というか…。
どうも ああいうタイプは苦手なようだ。
*
時刻変わって、部活終了後。
後片付けのため、私は鍵を預かり
みんなには先に帰ってもらった。
帰ってもらった…はずなのに…。
「ご…しきくん…」
「名前先輩!」
「まだいたの?」
よりにもよって今はちょっと
会いたくない子と…。
「せ…先輩こそ 」
少ししどろもどろな五色くんを
不思議に思ったが、
あまり深くはつっこまず
早く帰ってね、と言い残し
その場を後にしようとした…その時。
「名前先輩!」
「?! な…なに?」
五色くんに呼び止められた。
仕方なく足を止め、振り返ると
改めて向き直った五色くんの
ブツがわかりやすいぐらいに
主張していた。
「五色くん…?!」
「先輩っ…なんとかしてください…!」
なんとかって?!なに?!
生憎…私は男の人とケイケンなんて
ないし…。
「下手くそだよ?」
「構いません!!!」
そこは…なんか 断って欲しかったな…。
*
「あっ あうう! はぁ…んっぐぁあ!」
見様見真似ではあるが、とりあえず…と、
ごしゅごしゅと ブツを擦ってみた。
敏感なのか、初めてだからなのか
五色くんは ピクピクと感じていた。
「き…気持ちい??」
問うと、「気持ちい」という代わりに
喘ぎながらコクコクと首を縦にふった。
少し安心して、私は手を休めて
しまった。
その緩い快感にもどかしくなったのか
五色くんは、自分の胸を弄り始めた。
「?!五色くん?!」
「あっ?!ああ! ひあぁあ…やああっ!
んっはぁ…きもひぃよぉ…んんっ!!」
(可愛い…かも…)
少し胸が高鳴った。