第1章 影山/部室
「苗字」
「ん、どーした 影山くん」
部室の掃除中、影山くんに呼ばれた。
まだまだ片付いていないから
説教かな…。
「俺も手伝う…」
「えっ…でも」
「いいから!!」
ズカズカと部室に入り、扉を閉める。
なんかあったのだろうか…影山くんが
手伝ってくれるなんて…。
「手ぇ とめんなボケ!
さっさとやるぞ!」
ガサゴソと 散らかった部屋を整理していく
影山くん。 なんか新鮮…。
しばらく掃除をして 沈黙が
続いている中、部屋も片付いてきて
綺麗になってきた時…
ガタンッ!!!!
と大きな音がした。
驚き影山くんの方を見ると、真っ赤な
顔をして 手で口を抑えている。
手にはなにやら雑誌のようなものを
持っていて、グシャリとにぎり
潰していた。
「影山くん? ダメだよ グシャグシャに
しちゃあ…先輩のでしょ?」
その雑誌を取ろうとすると
影山くんは、雑誌を両手で
表紙が見えないように
押さえつけた。
「ダメだ!お前…こんなの見たら
ダメだ!!!!」
真っ赤で口をパクパクさせて、
なんか可愛い…。
じゃなくて そこまで言われると
見たくなる…。
「みぃせぇてっ!!!!」
「ぁっ!?…ちょ!!!!」
無理やり奪い取ると、そこには
女の人が裸体で今にもイキそうって感じの
顔をこちらに向けている雑誌だった。
「これ…は……田中さんの かなぁ…」
「た…ぶん…」
どことなく清水先輩に似ているし…。
私は元あった場所に 雑誌を隠した。
「なんか…ごめんね 影山くん…」
「別に…」
火照った顔は、まだおさまっておらず
少し 色っぽかった。
もしや…と思い下に目線をもっていくと
主張したソレが目に入った。
「か…影山くん……たってる…」
「あ…え!? うぁ!?違うぞ?!これはその…!」
わかりやすく焦り出す影山くんを
私は可愛いと思い 知らずのうちに
押し倒していた。