第3章 チョロ松
【チョロ松視点】
『ってか、俺今すげぇ眠い…』
こいつ…今までシリアス的展開も
諸共せずに眠りにつく気である。
『はぁ…、寝てもいいけど
布団に戻るよ…おそ松兄さん。』
『えぇっ!?ここでいいじゃん!』
『良くない、朝起きたら
またヤるかもしれないでしょ。』
『うん、まぁな!』
『死ね。』
悪びれた様子を見せずに
言ってのけるところは図太い
欺く所はトド松と一緒だ…。
本能で動くのはカラ松に
十四松だろうなぁ…野生的だし
僕と一松は…衝動的かな…。
『じゃあ、一緒に寝れば?
心配なんだろ?』
『………結局それか。』
悪態付くのも飽きて
莉瑠の隣へと潜り込んだ。
(あったかいな…。)
三人並ぶのは流石に狭いけど
くっつけるのは嬉しいもんだし
お風呂あがりだから余計
温まるし…悪くないな。
『うは!せっま!』
『さっさと出ていけ、クソがっ』
『うっわ…一松そっくり…
ってかお兄ちゃんをクソ呼ばわり!
カラ松じゃないんだからさぁっ!!』
『うるさい、さっさと寝て…。』
僕は大きな溜息と共に
横で全く起きない妹の頭を撫でる。
『………、』
何か言うでもなくただ撫でていると
ぽすっと僕の頭に何かが乗った。
『だーいじょぶだって…
こいつはお前を嫌わねぇよ。』
こいつの…全てを見通した感じが
嫌いだ、もしかしたら同じ事を
思って言ってるかもしれないけど
『そんな心配そうな顔すんな、』
"なっ?"と頭を撫でる手を
振り払わないのはきっとそれほど
参っているか眠いからだ。
きっと、そうなんだ。
『………寝よ。』
寝て起きたらいつもの朝だ。
どんな事をしても
朝は必ず来て夜になるんだから、
『へいへい……。
おやすみー、チョロ松…。』
『おやすみ…おそ松兄さん。』
撫でていた手を布団に潜らせた。
僕も撫でていた手を離し
そっとお腹に乗せればゆっくり
上下する息遣いにホッとした。
妊娠させたい訳じゃないけど
ヤりたいだなんて…クズだな…。
そっと目を閉じ呼吸を
感じているとそっと手に小さな
手が僕の手に重なった。
そのぬくもりに僕は許されない
業を許された気がした、
今の僕はそんな気がしたんだ…
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