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愛欲生活。【おそ松さん】

第3章 チョロ松


ちゃぷん…。


お湯に肩まで浸かると
温かいお湯が身体を包み込む。


身体の芯まで温まっていく
感覚にホッと息をついた。


『気持ちいい?』


後ろから抱きすくめるように
裸になったチョロ松兄ちゃんが
私に問いかける。


お腹に回った手が擽ったい…


『うん…気持ちいい…。』


『そ、良かった。』


それ以上、話を進めるでなく
一息ついて会話も止まる。


スリスリとお腹をさすってきて
その度にお湯が揺れ動く。


お互い裸同士で恥ずかしいのに
こうしていられるのももっと、
激しいことがあったから…かな。


少し俯いて揺れるお湯を眺めた。


少しウトウトしてきて
逆上せたかなって思うけど
気持ちよくてこのままでいい
なんて我儘も思ったりして…


『…莉瑠?』


チョロ松兄ちゃんの不思議そうな
声が耳元で聞こえた。


ごめん…チョロ松兄ちゃん…
私今すっごく眠たくて…。


ゆらゆら揺れているのは
お湯じゃなくて…視界が揺れていた。


自分を支えられなくて
背中に体重をかけると
肩に吐息が感じられた。


『………ごめん。』


肩にくすぶる髪の毛が
こそばゆいけどそのままに
チョロ松兄ちゃんに身を任せた。


『………好きだよ、莉瑠。』


目を閉じて見えない視界から
感じられる吐息と声に胸が鳴る。


知ってる…、知ってるよ。


でも返事しちゃいけないから
寝たフリをさせて下さい。


『たとえ…妹でも…僕は…。』


チョロ松兄ちゃんと一松兄ちゃんは
とっても不器用な所があるから…ね、


痛みでしか伝えられないって
思ってるんだろうけど…、


『ただ…好きなだけなんだよ。』


ちゃんと伝わってるよ…。


兄妹の好きと異性の好きを
説明しろなんて出来やしないし


ましてや、お兄ちゃん達を
否定する事なんて出来る筈がない。


『絶対に離さないからな…。』


たとえそれが歪んだ関係でも
私は、彼らを"ㅤ兄ㅤ"と呼ぶ。


『……チョロ松…兄ちゃん。』


お腹に回された手にそっと
自分の手を重ね身を委ねた。


離れたりしないと
保証のない証明をするかのように。


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