第2章 再開のスターティングブロック!!
「おはよう。田村さん。」
「おはよう。真琴ちゃん。これ持って行きな。」
「あ!ありがとう!行ってきまーす!」
「いってらっしゃい。」
真琴は差し出された新聞紙にくるんだ何かを貰うとやや駆け足で階段を上って行った。階段の途中にいた小さな一匹の白い猫を優しくなでる。
「おはよ。」
目的地についてインターホンを押すも返事はない。玄関から少し下がって二階を見上げると、バタバタと忙しそうな足音が聞える。
「・・・しょうがないな。」
裏口に回りガタついた木戸をあけて中に入った。
「おじゃましまーす。」
すると二階から誰か急いで降りてくるのが見えた。制服を着ているがリボンが曲がっていたり髪も適当に結んであったりと身だしなみが整ってない。
「あ!まこちゃん!ハルちゃんがまた出てこないの!」
「はぁ~。またか・・・」
廊下を歩き洗面所へと向かうと、籠の中に寝巻がひとそろい脱ぎ捨ててあった。
「やっぱりここか。開けるよ~」
真琴が風呂のドアを開けるのと、遙が水の中から出てくるのとが同時だった。頭を振り水をはね散らかすのを見届けると真琴はいつものように手を差し伸べた。
「おはよ。ハルちゃん。」
「・・・だからちゃん付けはやめろって。」
「また水着着て入ってたの?」
「ほっとけ。遅刻するぞ。」
「それ俺のセリフ。」
遙がタオルで体を拭きながら風呂場を出ると、先ほどの女の子があきれ顔でタオルを奪い取った。かがんでと指で合図し、遙の頭を乱暴に拭いて行く。
「まったくもう!」
「・・・・やめろ。水沙音。遅刻する。」
「私のセリフ!」