第2章 再開のスターティングブロック!!
太陽が顔を隠し星がまばらに見えてきた頃。誰もいなくなったプールに四人はこっそり見学に入った。
もう一度、これは見学です。
「やっぱりまずい気がする…って、あぁ!」
飛び込む音が聞こえ、水しぶきが顔にかかる。楽しそうに泳ぐ遥を見て、渚は呟いた。
「わぁ…やっぱりハルちゃん、イルカ見たい……まこちゃん、みーちゃん僕達も泳ごうよ!」
「だめ!見つかるとマズイって!」
「私も?!それより、凛ちゃん探さないと…」
「その前にちょっとだけ。明かりつけなきゃ大丈夫だよ。」
続いて飛び込む渚に、真琴は頭を押さえた。再び振りかかる水しぶきに目をつぶる。
「まこちゃん、みーちゃん。来て来て!」
「何?俺は入らないっ…嘘だろ!!」
「え?きゃぁ!!」
プールサイドぎりぎりに歩み寄る真琴の足を掴み、かがみこんだ水沙音の腕を渚が掴むとバランスを崩した二人もまた、制服のままプールへと落ちた。
髪の毛からぽたぽたと水をたらし顔を俯く二人の姿を渚は指さし笑う。
「あぁ、もう…渚~…」
とうとう真琴までもが遊び始め、笑い声が響く。女子である水沙音は脱ぐわけにもいかず、水を吸って重くなった制服を身にまとい、真琴のシャツとブレザーを拾う。
水から出ようとふちに手をかけると、ドアが開く音がし誰かが入ってきた。