第3章 政府からの極秘任務!(加州清光)※
長距離走の直後のように、身体が重い。
「うっわ、なにこれ……気持ち悪…」
声の方を見ると清光が説明書を読みながら、政府から支給されたコンドームを装着していた。
ちなみに特殊な素材で作られてるらしく、中に出された精液はコンドームごと回収しても問題ないとの事。
なんとも都合良くできてやがるな。
政府への怒りを蒸し返している内に、清光は私に覆い被さるような位置に付いた。結われた黒髪が重力に従ってはらりと私の肩に掛かる。
「主、初めてだよね?ホントに……俺でいいの?」
清光の手のひらが愛しげに頬に触れ、優しい体温が心地よく肌を滑る。
「……清光が、いい」
恥じらいを捨てきれない私は、目を逸らして言う。
顔全体に熱が集まって、頭がぼうっとする。きっと今の私は耳まで赤くなっているのであろう。
「ねぇ俺の目見て、ちゃんと言って?」
清光はいつもそうだ。勝ち気でお調子者な癖に、人一倍繊細で。疑り深く何度だって同じ事を確かめたがる。
「……初めて…だから……、き、清光が、いいの」
詰まって、掠れて、尻すぼみで。しかし不器用なその言葉を獲て満足そうに笑う彼。
舌を絡め合うようなキスの息継ぎの間に「挿れるよ」といつもより低い声が響く。再開されたキスに気を取られていると、ずるりと彼のモノが入ってきた。
張り裂ける様な強烈な痛みとともに、指とは全く違う圧迫感が身体を支配する。
「いやぁっ、痛い、痛い!清光…、一回止めて」
「くっ、慣らしてもやっぱりキツいね…」
「も…無理ッ、無理」
「大丈夫だから落ち着いて、力抜いて?」
余りの痛みに泣き出す寸前だったのに、優しい言葉と額に落とされた口づけ一つで簡単に絆される。
清光に促されるままに浅く呼吸を繰り返すと幾分か痛みが和らぎ、無意識に入ってしまった肩の力がゆっくりと抜けていった。
「そう、主はいい子だね」
ゆっくりと動く唇が、汗で額に張り付いた前髪が。醸し出すその色気に当てられてくらりとする。
「じゃあ、動くよ」
答える間もなく律動が開始された。