第3章 政府からの極秘任務!(加州清光)※
まだ日も落ち切らない本丸の一室で私は無抵抗のまま、自分の着物が畳に落ちていく様を眺めていた。
丁寧に脱がされ、ついには下着まで外されてしまい、恥ずかしさの余り私は両手で胸を覆い隠す。
「そんな、見ないで……」
「隠さなくても大丈夫。主とっても可愛いよ」
甘ったるい声を出して、清光が首筋に厭らしく舌を這わす。
その瞬間、ぷつんと張り詰めていた何かが限界を超えた。
ぎゅうと瞑った瞼から、一粒の涙が堰を切るともうどうにも止められなかった。
「うっ…きよ、みつぅ…」
「……なに、やっぱりやめたい?」
私は違うと首を振る。
「じゃあ続き、シて良いの?」
それも違うと首を振る。
黙ったままポロポロと涙をこぼす私を、溜め息を吐きながらも清光が抱き締める。
「…ホント主ってズルいよね」
ため息を混ぜて皮肉っぽく言う癖に、頭を撫でる華奢な手が、私を包む体温が、答えを待ってくれるその優しさが。そのすべて温かい。
溢れる涙を拭って得体の知れない恐怖を一つずつ整理する。
行為への羞恥、政府への怒り、清光や他の刀達への罪悪感…混ぜ合わさった感情の一つ一つに名前を付けていく。
ああ、なんだ。
「清光…お願いがあるんだけど…」
私、怖かったんだ。
今までの日常が壊れてしまう事が。
「明日からもいつも通りでいるって約束してくれる?」