第3章 政府からの極秘任務!(加州清光)※
昼過ぎの本丸にどこからとも無くやってきたこんのすけは書類の入った分厚い茶封筒と謎の段ボールを私に押し付けると、もふもふとした尻尾を翻し短い別れの言葉と共に消える様に去っていった。
状況から察するに、また政府から厄介事を押し付けられてしまった様だ。
「全く、こんのすけはいっつも説明が足りないんだから」
文句を垂れながらも仕方無いと諦めて、まず段ボールを開けてみる。
中には刀達の名前が刻まれた金属製の筒が入っていた。
「何これ、全員分あるの?」
少し短めの眼鏡のケースのようにも見えるその筒を手に取ってみる。案外軽い。蓋を開けてみるとキュポっと良い音がした。中は空洞になっており気密性は高いようだ。
再度段ボールの中を探ってみると筒の他にお菓子でも入ってそうなサイズの紙の箱があった。
「でもまぁ、きっとお菓子じゃないんだろうなぁ……」
人生には驚きが必要だと鶴丸がよく言っているが、驚きの無い平穏な人生が選べるのなら、私は今からでもそっちを選びたい。
箱いっぱいに詰まった銀色の個包装に私は言葉を失った。