第63章 ひんやりな夜
薬研「後藤、眠れないか?」
後藤「……まぁ…さっきの話怖かったし…」
薬研「なら、楽しい話でもするか」
後藤…やっぱり寝付けないんだ…
面倒見てる薬研、いい子だ…
でも楽しい話って何するんだろう?
薬研の話が気になり、私もひっそりと耳を傾けた
薬研「ある所に若い女が居たんだ」
後藤「…………」
薬研「その女は毎晩窓の外であるものを見るんだとよ。それは…白い生首…」
後藤「………………!」
………………おいおいおいおい、待て待て!
楽しい話じゃないよね!?
それ怖い話じゃないの!?
え、薬研?お前大丈夫?
そう思いながらも敢えて口は出さずに私はじっと堪える
薬研「その生首は毎晩出るらしいんだ」
鯰尾「え、薬研何の話?面白そうだから俺も入れて!」
薬研「あぁ、いいぞ。それでな、その生首がその女を見ながら何かを言ってるんだとよ…」
鯰尾「え?生首が喋るの?面白いじゃん…!」
何が面白いんだよぉぉぉぉおお!!
思考回路がおかしいよお前ら!
後藤「……………」
薬研「だろ?生首が話すなら見てみたいもんだ。それでその生首が夜になると……」
怖そうな話を楽しそうに、そして余裕そうに話す薬研
話の続きをどんどん話すが、私は怖くなりバッと上体を起こした
『薬研コラぁぁぁあ!楽しい話ってゆうから聞いてれば何事だよ!それ怖い話でしょうが!後藤が怖がってるのに更に追い打ちとか鬼かお前!!!』
薬研「なんだ大将、盗み聞きは良くないぜ?」
『盗み聞きじゃないよね!?同じ部屋にいたら嫌でも聞こえるよね!?』
鯰尾「あれ?もしかして主、怖いんですか?」
私を見ながらニヤニヤしてる鯰尾
なんかすごく悔しい気分……!!!