第61章 どちらさんでしょうか
長谷部「……すみません、主」
長谷部はシュンとしながら俯いてしまった
そんな姿が犬っぽく見えてすごく可愛かった
『よしよし、長谷部は良くやってくれてるよ。いい子だね長谷部〜、よしよーし』
私は慰めるように長谷部の頭を優しく撫でた
すると、その姿を見ていた巴形が興味深くこちらを見てきた
巴形「主は優しいな。その姿を見て、俺はここに来てよかったと思える」
『ほんとに?それは良かった…。ここはね、元々ブラック本丸だったんだけど…何とか立て直したんだよね。だから、もう皆には辛い思いはさせたくないの』
巴形「そうか。俺には過去の事はあまり分からないが、主の言いたいことは分かる。何かあれば俺を頼れ、いつでも力を貸そう」
そう言って、ほんのり微笑み頭を撫でてくれる巴形
この子もこの本丸の子並にいい子だと確信した瞬間だった
すると、それを聞いていた長谷部はいきなりバッと顔を上げて巴形を見た
長谷部「主に何かしたら許さないから!俺はお前を信用したわけじゃない……けど、主が信用しているなら、俺も信用してやらなくもない」
『なんで上から目線』
巴形「俺も、お前が信用してくれると言うのなら、信用してやらなくもない」
『分かったから……もうやめなさい。似たもの同士と言うかなんとゆうか……』
長谷部「主!俺を頼ってください!巴形よりも沢山働いてみせます…!」
巴形「右に同じだ」
負けたくないという思いなのか、二人共…特に長谷部が必死だった
私は差別するつもりないけど…やっぱり新入りが来ると不安もあるのかな…なんて思っていれば、先ほど置いた油揚げ付近に影があった