第61章 どちらさんでしょうか
〜 一方その頃 〜
『よっし、油揚げをここに仕掛けて…後はこんのすけが来るのを待てばいいよね!』
私は台所の冷蔵庫から油揚げを一枚貰ってくれば、お皿に乗った油揚げを審神者部屋の前へと置いた
「主の近侍は俺だ!」
油揚げを部屋の前に設置していれば、部屋の中から誰かの声が聞こえた
この声は……長谷部?
なんで長谷部の声が……?
私は不思議に思い、すぐ審神者部屋の襖をそっと開けて中をちらっと覗いた
すると、長谷部と巴形が何やら言い合いをしていた
巴形「そうムキになるな」
長谷部「誰のせいだと思って……っ」
二人は何を言い争っているのだろうか
私には何が何だか……
私は呆れたように少しため息を吐けば、二人の言い合いを止めなくちゃと思い部屋へと足を踏み入れた
『ちょっと、長谷部…なにごと?』
長谷部「!主…、この刀はなんですか!?俺という近侍が居ながら…どこの馬の骨かもわからない刀剣に近侍を頼むなど……!」
『………………は?』
何を言ってるんだ、この子は…!
私は長谷部を近侍にした覚えはないし、巴のことだって近侍にした覚えがないけど!?
遂にイカれたか、長谷部……
『ちょっと待って。私は長谷部を近侍にした覚えないけど…それに巴の事も近侍にしたわけじゃないよ?』
長谷部「…き、近侍じゃなくても……俺はいつでも主の隣にいたいんです…!」
『隣にいるのはいいけど、なんで巴と言い合ってんのさ…すごいバチバチしてたよ?』
隣にいたいって言ってもらえるのはやっぱり嬉しいけど…なぜ言い合いをしてるんだ、まったく…
それに来たばっかりの刀に喧嘩売るなや…!
私の寿命縮む…いつ斬り合いが始まるのかヒヤッとするし!