第59章 たまには二人きりで
燭台切「主、重くない?」
『大丈夫だってば、このくらい!』
私達は万事屋を出てからというもの、光忠が異様に私の心配をしてくる
なぜなら、甘酒を光忠が持って私がアイスを持っているからだ
アイスくらいそんなに重くないし…!
光忠は気にしすぎだよ…ほんと…でもすごく優男なんだね、いい子だ…光忠
燭台切「なら、疲れたら言ってね。僕が持つから」
『だから大丈夫だって!光忠だって甘酒重いでしょ?寧ろ私が持ってあげようか?こう見えて力あるんだよ、私!』
燭台切「力あるとしても、男には敵わないよね?」
『そ、それは…否めないけど……』
燭台切「ならもっと頼らなきゃね。主は何でも一人で抱えるから、ちょっと心配だよ」
眉を下げ困ったような顔をする光忠
私って、どんなイメージ持たれてるんだろうか
まぁ一人で抱えることもあるけど、買い物だって色んな子を道連れにしてるし…光忠は本当にお母さんみたいだなぁ…
そんなことを思えば、私は少しだけ笑ってしまった
燭台切「主…?」
『あ、ごめん…光忠があまりにも心配症だから…っ』
笑いを堪えようとしても、つい顔が緩んでしまう
すると、いきなり光忠の顔が目の前に来たかと思えば軽く唇にキスをされた
燭台切「……僕は主の事が大切だから、何でも心配になるんだ」
『……えっ…?』
……待って、何今の…!
いきなりキスとか反則だよ…
不覚にもドキッとしちゃったし…!
燭台切「一人で抱えたらいけないよ?何でも」
……特に抱えてることはないんだけど
そんなこと口が裂けても言えない!なんて内心思いつつ、私を心配して気にかけてくれる光忠にありがたいと思い礼を述べた
『ありがとう、光忠。そう言ってもらえるだけで心強い!』