第59章 たまには二人きりで
『ほんと、些細なことなんだけど……光忠さ…私のこと名前呼びじゃなくなったよね?あの時は名前呼びさせてって言ってたのに、めっきり主呼びに戻ってるし…』
そう…光忠は名前呼びさせてと言っておきながらずっと主呼びになっていて私は気掛かりだったのだ
何か怒らせてしまったのか……それとも私のことが嫌いになったのか…
色々考えちゃってたから、聞き出せるいい機会だよね…
すると光忠は気まづそうに眉尻を下げた
燭台切「あ、うん…その事なんだけど…」
『あっ…私何かしちゃった…!?気に触ることしちゃったとか…!』
昨晩も今朝も光忠を怒らせちゃったし…それで怒ってる…?
いや、でも怒らせる前から主呼びだし!
……てか、光忠を怒らせたのは私じゃなくてアイツらだよね、酔っ払い共が…!
もう本丸全面禁酒にしようかな
そんなことを考え少しため息を吐けば、光忠が慌てたように喋り出した
燭台切「ごめんね…?主の事が嫌いになった訳じゃなくて…鶴さんとの事件があったでしょ?神隠しの事件……やっぱり僕達刀剣は神だから、真名を呼ぶだけで色々左右出来ちゃうんだ。真名のせいで、あんな事件まで起こってしまったし…主に何かあったら嫌だから僕も真名は呼ばないことにしようって決めたんだ」
『あ……そうだったんだ…』
光忠、そんなことを考えてくれてたんだ…
なんかすごく嬉しいかも…
燭台切「真名を呼びたいのは山々なんだけどね…。僕も皆と同じく主の事が好きだから…ふとした瞬間に神隠しをしていたら困るから」
……待て待て待て待て、サラッと怖いこと言ってる…!
やっぱり真名は呼ばれない方が平和なんだな…だって皆人間じゃないんだもんね……
そんな普通じゃない話をしながら歩みを進めていれば、あっという間に万事屋へと到着した