第58章 我が本丸、本格始動
んー、今日も美味しそう…
朝食べられなかったからより食欲がそそられる
そんなことを思いながら私はテーブルに料理を運ぶ
すると、テーブルに座っていた刀剣が声をかけてきた
鶴丸「おっ。朝餉も食べずに手伝いとは、偉いな主!」
『別に…断りざる負えなかったんだもの…仕方ない』
私はそっとため息をつき、テーブルに食事を置こうとすれば後ろから誰かに抱き着かれた
『ちょ、今手伝い中なんだから抱き着かないでよ…って………』
また変態共の誰かが抱き着いてきたのかと思い、軽くあしらおうと振り向いたが、抱き着いている相手を見てフリーズしてしまった
太鼓鐘「あ、ごめんごめん!つい、な」
後ろから抱き着いたままひょっこり顔をのぞかせる貞ちゃん
にっと笑いながらこちらを見てくる姿がとても愛らしかった
『……あ、貞ちゃん…』
ま、まさか抱き着いてきたのが貞ちゃんだなんて…聞いてないよぉぉぉぉおお!
貞ちゃんなら可愛いし、下心ないし抱き着かれても大歓迎なのに…!
あぁ…やっぱりいついかなる時でも、相手の確認をしないとダメだな…学習した…
私は落ち込みながら、テーブルに料理を置けば貞ちゃんの方をそっと見た
『貞ちゃん…その…』
太鼓鐘「抱き着いてごめんな!」
鶴丸「貞坊が怒られてる、あの短刀大好き主が怒った…レアだぞレア!」
何故か嬉しそうに笑っている鶴丸
とりあえず殴りたいけどぐっと我慢…!
『あの貞ちゃん…!これは違くて…!』
そんな私の言葉に貞ちゃんはきょとんとしながら首を傾げた