第8章 夜這いにご注意
『刀は人間と違って、折られない限り生き続ける…それが辛いとしても。人間は脆い生き物だけど、辛かったら自分の意志で逃げることができるでしょ?でも刀の皆は、前任にひどい目に遭わされても逃げることは出来ない…それは審神者という刀の所持者だから…だから、私が審神者で居られる間は沢山楽しいことをさせてあげたいし、幸せにしてあげたい。過去の辛いことなんて忘れるくらい』
空を見上げながら話していれば、視界が歪んだ。
あ、私いつの間にか泣いてた…。
頬に伝う涙の温度が泣いている事を物語った。
?「…お主は、心が澄んでいる。他の者が信頼したくなる気持ち…わからなくもない」
そう声が聞こえた後、私の濡れた頬に誰かの手が触れた。
『えっ…!?』
夜空と話してたのにいきなり頬に手が触れ、びっくりしてバッと手の伸びてきた方を見た。
『だだだだだ、誰!?てか、いつの間にそこに!?』
?「?先ほどまで会話していたではないか」
『え?私は夜空と話してたんですけど?あ、…でも声が一緒…ってことは、私この人と話してたのか…!!!』
まじか、この人に話聞かれてたのか…恥ずかしい…!
まぁ、着物が夜空みたいな色してるが…
?「はっはっはっ、お主は面白いな」
笑っているこの人は誰?
すっごく綺麗な人だけど……
きっと刀剣男子だよね…刀剣男子じゃなかったら怖いけど!!