第55章 私の仕事ぶりは健全です
あれから私は前任のことを考えながら応接間を後にした
すると、心配してくれたのか岩融と御手杵が私の傍に駆け寄ってきた
御手杵「大丈夫だったか?」
『え、あ……うん!大丈夫だったよ!』
前任のことばかり考えてしまい少し反応が遅れる
その様子に岩融が不思議そうにこちらを覗き込んできた
岩融「ん?主よ、顔が青いが…何か言われたのか?」
『へ!?いや、な、何でもないよ…!』
前任のことは、刀剣達には言わない方がいいよね…
それに岩融に限っては一度折られてるわけだし…確実にこの本丸に訪れるとは限らないし…
来るかわからないのにこんな話したら皆不安がっちゃうよね…うん、言わないでおこう…
岩融「本当か?」
『うん!ちょっと仕事の事で色々言われちゃってさ…』
苦笑いを浮かべなんとか仕事の話で誤魔化す
すると、二人は笑いながら私の肩に手を置いた
御手杵「主、これからも仕事頑張れよ!応援してるから!」
岩融「無論、何かあれば手伝ってやるからな!」
『…ありがとう…嬉しいよー…』
あぁ、なんていい子なんだろうか…
こんなこと言われたら仕事頑張れるよ…!
とりあえず、部屋に戻って仕事の確認でもしようかな
これ以上仕事を蔑ろにしてクビなんてことになったら嫌だし……
『じゃあ、私は仕事の確認に一旦部屋に戻るね?』
岩融「あぁ、頑張れよ!」
御手杵「後でお茶と菓子でも届けるように言っといてやるから、頑張ってこい」
そう言って二人に背中を押され、私は審神者部屋へ戻った