第52章 新たなる刀は3時間
その刀は、私の顎をクイッと持ち上げれば何故か顔をガン見してきた
『………………』
な、なに……これ……
抵抗したら斬られそうだし、目を合わせても斬られそうだし、動いたら斬られそうだし……って、結局何しても斬られるじゃんかよ!!
やばいやばい…助けて三日月……!
そう思い三日月に視線を移そうとした瞬間、目の前の刀が喋り出した
千子「すみませんが、少し二人にしてもらえマスか?」
新しい刀は三日月に目をやればそう言った
……二人きりって……ええええぇぇぇぇえ!!
なんで二人になる必要がある!?
三日月いたらダメなの!?
待って、まだ死にたくないよ!?
まさか三日月部屋を出ていかないよね?
ま、まさかね?
そう思っていれば三日月はニッコリとした笑みを浮かべた
三日月「あい、わかった」
一つ返事をすれば、三日月は重たい腰を持ち上げ部屋から出ていってしまった
『…………………………………………』
……………………………………え?
三日月?おい三日月…嘘だろ!?
大事な主を捨てていくのか…!?
三日月戻ってこいやぁぁぁぁぁぁぁあ!!!
心の声は誰にも届くはずもなく…
ただただ目の前に居る新しい刀がこちらをガン見してくるだけ
そしていつになったらこの顎クイをやめてくれるんだろうか…
そう思っていれば、いきなり相手の顔が近付き軽いキスをされた