第6章 探し物は主
薬研「確か審神者部屋はこっちだったような…」
一期「こちらには全く来ませんでしたからね」
ただいま三人は手入れをしてもらうために審神者部屋に向かっています。
正確に言えば、一期は付き添いで着いてきた。
厚「…………」
一期「?どうしました?厚」
厚「えっ?あ…いや…なんでもねぇ!」
厚は先ほどから黙ったままでずっと下を向いている。
薬研「…もしかして、緊張してんのか?」
厚「はぁ!?手入れくらいで…緊張なんて…っ」
見透かしたように薬研がいうと、図星かのように慌てて否定する厚。
一期「おや、久しぶりの手入れに緊張ですか」
薬研「それが聞いてくれよ、いち兄。今度の審神者の手入れは独特なんだよ」
一期「独特…とは?」
薬研「鯰尾や骨喰に聞いたんだが、資材がないからって理由で接吻で神力を注いで手入れするらしい。まぁ俺たちは生で見たけどな」
一期「接吻…ですと…?」
接吻という言葉に顔を歪めた一期。
前の主に散々されたことが原因なのかあんまりいいイメージがないらしい。
薬研「いち兄はあんまりいいイメージないよな…」
一期「そうですな…」
俯き加減で小さく頷くが、弟達に心配かけないようにと再び微笑んだ。
一期「私は大丈夫です。弟達の怪我を治してもらいたいのは本望ですから」
そんな話をしながらあっという間に三人は審神者部屋に着いた。