第21章 小さいだけで天使
え?任せられた?
一期は朝食の準備を手伝うって言ってたからわかるよ?
薬研は何なの?どこいったの?朝食の手伝いしそうには見えなかったけど?
『薬研め……逃げやがった……』
鳴狐「…………」
お付の狐「そろーっと……静かに……」
私が考えている間に、鳴狐が忍び足で部屋から出ようとしているのを見つけた。
『鳴狐…どこいくの?』
私の声にビクッと肩を揺らした。
鳴狐「……厠」
そう一言告げれば逃げるように部屋を出て行ってしまった。
厠とか言いながら絶対戻ってこないだろ、あの子…
『はぁ……』
骨喰「…起こすの手伝う」
『え?ほんと!?』
あぁ、骨喰天使過ぎる……!!!
なんていい子なんだ!骨喰ー!愛してる!!
骨喰「なかなか起きないから、厄介だけど頑張ろう」
『うん!骨喰、愛してるぞ』
骨喰「……俺も」
『……………………ん?』
待って、今デレが見えなかった?
俺もって言ったよね?えっ、幻聴?
骨喰「俺も主の事は嫌いじゃない」
『……えっ、好きなの!?』
骨喰「…嫌いじゃないってだけ」
『それって好きってことだよね?最初出会った時もさ、好きだっ!って言ってくれたもんね!?』
骨喰「あれは好きだ、じゃなくて……突きだって言ったんだけど」
『そんなに照れるな、骨喰…可愛いやつだなぁ、ほんと!』
骨喰「……あんまりうるさいと襲う」
『ごめんなさい、すみません』
骨喰が襲うとか言ってきたんだけど!?
あぁ、骨喰まで薬研化してしまったのか…!!!
そんなことを思いながら、骨喰と一緒に皆を起こしていった。