第15章 宴の開幕
『いやぁ、なんかすごくホッとできた…テーブル周りが結構しんどかったんだよ……』
ケーキを食べながら、テーブルに回った時間を思い出す。
髭切「良く頑張ったね、いい子いい子」
私の頭を優しく撫でながら微笑んでくれる髭切。
あぁ、優しさが染みる〜……
『みんな警戒心強かったけど、いい子ばっかりだったから……これからもこの本丸で頑張れそうだよっ』
膝丸「それは良かった。お前が居なくなったら、きっとこの本丸はまたブラック本丸へと進むだろうな」
髭切「そうだね…キミには居てもらわないと困るよ。だから周りに頼りながらでもいいから、この本丸の審神者でいて欲しいな」
『2人とも……ありがとう。嫌がられてもこの本丸は私の本丸だ!これからももっとみんなとよりを深めて幸運に溢れた本丸にしてみせるからね!』
その言葉に、2人はそっと微笑んだ。
髭切「うんうん、その意気だよ」
膝丸「まぁ、頑張りすぎて倒れられるのはゴメンだけどな…」
『大丈夫だよ?倒れたりしないから』
髭切「でも、無理は禁物だよ?みんなキミが大切なんだから」
大切か……そう言ってもらえる存在になれてきているなら、ほんとに嬉しいことだ。
これからもより一層頑張ろうと思えた。
嬉しさを噛み締めていれば、視界がぐらりと揺れた。
『あれ?…なんか…』
お酒の一気飲みが効いたのか、酒が体内を周り一気に眠気が襲ってきたのだ。
私は重い瞼に逆らえずに、そのまま意識を手放した。
膝丸「!?」
髭切「あれ?寝ちゃった?」
いきなり寝落ちたなまえを髭切が支えた。
しかしいきなりの寝落ちに少し驚いている2人。
膝丸「どれだけ飲んだんだ…」
髭切「きっとあそこのテーブルで飲まされたんだろうね」
髭切の視線の先には、次郎が居るテーブルだった。
膝丸「あぁ、あそこか…。豪酒がいるから、潰されても当たり前か…」
髭切「まぁ、少しこのまま寝かせてあげようか」
膝丸「そうだな」
髭切はなまえを膝枕しながらそっと寝かせたのだった。