第86章 山姥切問題
中庭に来れば、もう皆集まっていた。
『あ、もう皆集まってるね!』
山姥切「あぁ」
こう見ると人が多いな…なんて思いながら中庭を見ていれば、こちらに気付いた短刀達が手を振ってくれた。
乱「主さーん!こっちこっちー!」
私も手を振り返せば、焼き芋を焼いているであろう乱ちゃん達の所へと近寄る。
『もう焼いてる?』
厚「おう!いい感じに焼けてきてるぜ!」
その言葉に私は焚き火の近くに少し近寄る。
『甘い匂い…美味しそう』
包丁「お菓子みたいに甘い匂いする〜」
『焼き芋はお菓子よりも栄養素高いから包丁も大きくなれるかもねっ』
包丁「えぇ!?ほんと!?じゃあいっぱい食べる!」
はぁ…可愛い…天使か…?
私は可愛い包丁の頭を軽く撫でながら癒しに浸る。
そんなこんなしている内に、焼き芋がどんどん焼きあがり、トングを持った岩融が皆を焚き火の近くまで呼んだ。
岩融「焼けたぞ!」
岩融の掛け声と共に、焼けた焼き芋を皆ぞろぞろと貰いに来る。
すると、岩融は私に向かって焼きたての焼き芋をお皿に乗せて渡してくれた。
岩融『主もいっぱい食ってデカくなれ!』
『あ、ありがとう…!』
私はこれ以上成長しないかもだけど…
そんなことを思いながら焼いてもらった焼き芋をひと口食べた。
すると、ふと縁側に座る三日月達が目に入った。