第84章 本丸の買い出し
誰に買い物の手伝い頼もうかなぁ〜…
そんなことを考えながら本丸内をフラフラと歩いていれば、中庭にいる池の鯉に餌を上げている清光と安定を見つけた。
『清光と安定だ!おーい、2人とも〜!』
廊下から中庭にかけて声を出すものの、何故かシカトされてしまった。
……………………うん!これはシカトって言うよりも私の声が遠すぎて聞こえなかっただけだよね!そうだよ、そうに違いない!
もう少し大きい声で呼べば応答してくれるはず…!
『おーーーーーい!!!清光〜安定〜!!!』
先程よりも大きな声で呼んでみた私。
こんなにも大きい声で呼んだというのに2人はこちらを見向きもしない。
ちょっと待って…主悲しすぎる…!!!
なんで!?いつも一目散に寄ってきてくれるのに!!!
心が折れそうな私だが、近くまで行けばさすがに気づくだろうと思い中庭まで出てみる事にした。
中庭に来れば二人の様子を見ながらゆっくりと近づいてみる。
すると、二人から私の話題が飛んだ。
加州「なんかさっきから主が呼んでる気がするんだよね」
大和守「実は僕も。でも主は長谷川さんと旅行中だから居ないでしょ」
加州「そう…だよね…。はぁ、なんで俺じゃないんだろ…」
大和守「あれって差別だよね。一人だけいいとこ取りだし一人だけ優遇ってゆうか」
加州「俺も優遇されたい…!」
大和守「そりゃ…僕だって……」
そんな会話を聞いてしまえば何となく声をかけにくくなってしまった。
いや、ごめんって本当に……別に優遇したわけじゃないんだよ…!
そこだけは勘違いしないでくれぇぇぇえ!
心の中で届かぬ叫びをしたところで二人は私の存在に気づいた。