第81章 長谷部の悩み事
部屋に戻ってきた私は押し入れから大きめの鞄を取り出し、必要な物を鞄に詰めていく
『着替えとタオルと…一応シャンプーとかも持っていった方がいいかな』
独り言を呟きながら準備していれば、障子の外から長谷部の声がした
長谷部「あの…主、少しよろしいでしょうか」
『え?あ、うん、いいよ』
その声と共に部屋に長谷部が入ってきた
長谷部「あの、主…本当に俺と温泉旅行なんて、良かったんですか?」
『ん?どうしたの急に』
長谷部「いや…主は皆で行きたかったのかと…昨日は酒も入っていましたし…俺が勝手に鵜呑みにしたから」
……え、私が言ったこと忘れてるってバレた?
いやいやいや、そんなことは…!!!
結構演技派だったと思うんだけど…!
『いや、その…お酒入っていたとはいえ、長谷部と温泉に行きたかったのは本心だったし…!』
長谷部「え、本当ですか?」
『うん…!ほんと!だからあんまり気にしなくていいよ?皆とは後で行けばいいし、今回は長谷部との約束優先にしようと思ってたから』
長谷部「主……!」
嬉しさを噛み締めるかのように長谷部は私をぎゅっと抱きしめてきた
あぁ…温泉旅行のこと忘れてたなんてマジで言えない…
すっごい罪悪感だけど、長谷部が喜んでくれてるならそれでいっか
『日頃の疲れを取れるようにゆっくりしてこようね?』
長谷部「はい!」
私は長谷部の背中をポンポンと撫でた