第77章 刀解の危機
『や、やばい…!誰か来た…!ど、何処かに隠れなきゃ…!』
加州「そんなこと言ったって…隠れるところなんてないって…!」
『じゃあどうすんの…!折角助けに帰ってきたのに殺されるとか嫌だよ!?』
千代金丸「主は重く考えすぎだな」
『アンタは呑気すぎだからね…!?』
隠れるところもなくそんな言い合いをしていれば、足音の正体が顔を出した
五虎退「あ、主様…!?」
秋田「か、帰ってきたんですか…!?」
顔を出したのはさっきまで部屋に向かって声を掛けていた二振りだった
やっべーよ、ばれたよ
まだ短刀達だからよかったけど…て、いやいやいやいや違うから…!
短刀だからとか関係ないから!!!
短刀でも危ないから…!!!
そんなことを考えていれば、五虎退と秋田が私に飛びついてきた
秋田「主君…っ!」
五虎退「主様…会いたかったです…っ」
ぎゅっと強く抱き着いて泣きじゃくる二振りを私はそっと抱きしめた
『二人とも…ごめんね…』
私は二人を抱きしめながら優しく頭を撫でる
刺されるかと思ったけど、この様子だと大丈夫そうだな…なんて思いつつ泣かせてしまっている罪悪感に押しつぶされそうな私が居る
五虎退「本当に…帰ってきてくれて良かったです…」
秋田「無事で何よりです…」
泣きながらも私を見ながら微笑んでくれる二人に優しさと強さを感じた
その様子にグッとこみ上げてくるものがあり私は自然と涙が出た
『本当に不安にさせてごめんね…二人とも…』
秋田「主君が無事ならいいんです…!」
五虎退「そうですよ…!なので、泣かないでください…」
そういって私の頭を撫でてくれる五虎退
本当にいい子だと思いながら二人を見ていれば、秋田くんがハッとした顔をした