第75章 巡り合わせ
ー 一方その頃 ー
なまえが居なくなってからというもの、ずっと部屋に篭っていた刀剣達
特に変わることのない日常を過ごしていた
和泉守「国広、何暗い顔してんだよ」
堀川「あ、ごめん兼さん…ちょっと胸の辺りがザワザワしてて…」
和泉守「ザワザワ?」
堀川「うん…大事な何かを忘れてるような…そんな気がするんだけど、思い出せなくて…」
和泉守「思い出せねぇってことは、そんな大したことじゃねぇってことだろう。気にすんな」
堀川「うん…そう、だよね……」
加州「安定、どう?この爪紅」
大和守「…………」
加州「?安定…?」
大和守「ねぇ、清光…なんかモヤモヤしない?」
加州「モヤモヤ…まぁいつもより胸の辺りがソワソワするけど…それがどうしたの?」
大和守「いや、なんか…うまく説明出来ないんだけどさ…」
加州「主に相談してみる?」
大和守「主……?…………あ…!」
加州の言葉に大和守は何かを思い出したようにハッとした
大和守「主だよ!清光!」
加州「主…?」
大和守「この胸のざわつきは、主だったんだよ!」
加州「いや、ちょっと待って…何言ってるかわかんない」
そんな加州の様子に腹を立てたのか、大和守は加州の頭をグーで小突いた
加州「いった…!ちょ、なにすんの…!?」
大和守「バカ清光!主の初めて奪っといて思い出せないって最低だよ!」
加州「初めて…?主との初めて……初めて……あぁ…!!!」
大和守の言葉に、加州の脳内に今までの記憶が吹き込んだ瞬間だった