第73章 本 丸 に 迫 る 影
『ん……、朝……』
私は庭で鳴く小鳥の声にそっと目を覚ました
ゆっくり身体を起こせばうんと伸びをした
今日は珍しく誰も起こしに来ないんだ…
そう思い部屋を見渡せば、私の布団の近くに見たことのない刀が置いてあった
『これ、なんの刀だろう…見たことないかも』
そう思いながら刀を両手で持ち上げ眺めた
『またこんのすけが持ってきたのかな?どんだけこの本丸は刀を増やすつもりだよ…』
そう思い、刀を見ながら私は苦笑いした
それにしても、今日の本丸は妙に静かだなぁ…
みんなまだ寝てるのかな?
いや、でもいつもならみんな起きてるよね?
こんな静かな本丸…今までなかったかも…
こんのすけも刀だけ置いて何処かに行っちゃうし、本当に人任せな狐だ…
『はぁ…』
とりあえず、広間に行ってみるかな
今日も光忠の美味しい朝食が待ってる!
あ、きっとこの刀もこれからこの本丸に住むことになるんだし、この刀も連れて行こうっと!
そう思い私は着替えを済ませて広間へと向かった